棚卸し日記。前篇 エバーレの追い風

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お世話になっております。
第三スタッフ、中川です。

お読みになる前に、たいへん長文となっておりますので、
お暇な時にでも読んでいただけると嬉しいです。
では、はじまりです。

棚卸し日記。前篇 エバーレの追い風

やや曇りがかった朝をむかえ。時に湿気をふくむ淡い風がふく。
暦、春。
集結した5人の男たちの目前には、見上げるほど高くそびえる大多層マンション、エバーレ。目的地は、その地上1階に店舗を構えるサイクルショップカンザキ『エバーレ店』。カンザキ店舗中、最大級の販売面積をもち、ダントツの安さ、機動力を売りに、その力は日本全国へとわたる。
わたしにとって経験のない初めての棚卸し、未知の仲間に、沸き立つ緊張と高揚を胸に秘めながら、いざ棚卸しの舞台へ。
重ぐるしい扉を開けると、そこには長く奥ばった無機質な薄暗い通路が続いていた。壁のシミから細かく反響しあう音と、暗く焼きついた張り紙。

闇と影の廃墟を漂わせる通路を進む5人衆。その頭上を降り注ぐ天の光のような螺旋階段の風光..。休館日のため照明が落ちている店が多いなか、空調は快適であった。
なぜか5人の先頭をきって目的地へと進んでいる私は、一度しか通ってない通路の心当たりをさがしつつ、ここで寂しそうに「こっちでしたっけ?」と振り向いて尋ねたら負けかな、とか思っちゃいながら、明るく光る店ひとつ見つけました。ここがエバーレ店。余裕の到着、余裕のセーフ。

店内を見渡すと、颯爽とした出で立ちの男が一人と、指示を仰いでいる二人の女性がいた。男は全体的に黒でまとめた軽装で、機敏で的確な動きを漂わせている。得意技は加速装置だ。と印象をうけるエバーレ店の店長、ダブルオーナインさん(仮名)。
挨拶をすませ、大まかな説明をうける。メンバーは全員で10人。一度みた店舗だが、全体は倉庫も兼ねているため奥行きがあり、とにかく広い。
人海戦術で一気に片をつけるために、各自パートに別れ、担当するチームリーダーの指示にしたがう。私は三人一組のパーツ担当のチームへ入った。

チームリーダは、本店からきた棚卸しに定評のある、棚卸定評さん(仮名)。二人目は、吹田店からきた 阿倍野区からビアンキのロードで通勤している アベンキーさん(仮名)。そして私。
アベンキーさんとは この後、本店以外の全ての棚卸しを共にした棚卸しの友。アベンキーさんは、世界各国を自転車で数年かけて放浪し渡り終え、私が、『各国のキレーなオネーチャンのおケツを追いかけてたん?』と尋ねると、「え、なんでですか?」とマジメに返答され、あれ?このタイミングでノリツッコミがない。関西人じゃない? と思ったら、やっぱりそうだった。すいません、いきなりの関西ルール。完全無欠の関西人は、こんな話題で腹をわるクセがあるんです(なかったらゴメン)。そんな私に、バチがあたったのか分かんないけど、じぶん不参加の本店棚卸し時に、アベンキーさんは、かなりゴージャスな思いをしていた。アベンキーさんは棚卸しの友。別になんとも思ってないんだけどさ、本当に何とも持っていないんだけど。アベンキーさんの一言が、結構耳に残っちゃてるんさ。

「あれ?あの時、中川さんもいませんでしたっけ?」

アベンキーさん、オレはいませんでした..。その時いませんでした。なんで日を分けて、二回も聞いてきたんです。オレはその場にいたかった。

『友よ、オレの存在、その程度?』
不思議な精神的外傷を受け、この場で告白する中川行弘。
さあ、時は満ちた! 棚卸しの始まりです!

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